8月11日(金)「山の日」、米国株は反発した(スズカズ)

【2017年8月11日(金)米国の株価は反発】

日本が「山の日」なる新設された国民の祝日でお休みの金曜日。世界は北朝鮮問題の進展に釘づけとなっています。

核弾頭を積んでいる(かもしれない)ミサイルの脅威にさらされている韓国とグアムの緊張は限りなく高まっています。トランプ大統領は同盟国をがっちり守ると明言を繰り返しています。

韓国は▲1.69%と大きく下落しました。香港▲2.04%、フランス▲1.06%、英国▲1.08%、いずれも木曜日の展開を受けて厳しい下落が続いています。

ドイツはほとんど動きはなく変わらずでしっかりしました。

そして米国市場ですが、NYダウとNasdaqは小幅ですが反発しました。

NYダウ:21,858.32(+14.31、+0.07%)
Nasdaq:6,256.56(+39.68、+0.64%)

最も不安視されたテクノロジー株の動きですが、金曜日のアップルは+1.39%で反発しました。AMDも+0.91%、テスラ(+0.69%)、アマゾン(+1.16%)、フェイスブック(+0.41%)、アルファベット(+0.79%)、マイクロソフト(+1.53%)となっています。

ただしエヌビディアだけは▲5.33%と大きく続落しています。

株価ではなく、金融市場の全体に関するニュースとしては、FRBによる12月の利上げ観測はまた一段と後退した模様です。

米国の7月CPIは0.1%の上昇にとどまりました。2か月連続での前月比マイナスからわずかなプラスに転じましたが、市場予想を5か月連続で下回りました。

エネルギーと食品を除いたコア指数は0.1%の上昇で、前の月と同じ程度の伸びです。こちらも市場予想には届きませんでした。

10年物国債金利は2.19%(▲0.01%)、2年物国債金利も1.29%(▲0.04%)に低下しました。

北朝鮮リスクを巡って、グアムと韓国での緊張がこれほど高まっている状況なので、世界の株価の戻りが鈍いのは仕方がないところです。

日本が影響を受けないはずはありませんが、日経平均先物の夜間取引は、金曜日の早朝に19350(▲360)まで下げ、CMEは土曜日の早朝に19390(+35)で小幅上昇して週の取引を終えました。大きく変動した今週の動きも、ひとまずここまでです。

週明けの日本はまだお盆休みの最中ですが、こういう状況の時、いつものことですがマーケットの中で「何が下げて、何が下げないのか」という、個々の銘柄の値動きの精査が必要です。

折しも日本でも3月決算企業の決算発表がほぼ出そろいます。シャーロック・ホームズのように、虫メガネを使って、発表後の数字を吟味しながら電卓をたたいて、売上げと利益の伸び、配当利回りの水準を見比べていく作業が大切になります。

心配された東芝もようやく決算書類を提出しました。テクノロジー株の下値が試されるのと同時に、昨日も記したように、小売セクターの上値トライの動きが案外カギを握りそうな気配となっています。

以上(スズカズ)