北朝鮮リスクを受けた下落、その中に次なる相場の芽も(スズカズ)

【2017年8月14日(月)東京:4日続落】

日経平均:19,537.10(-192.64)(-0.98%)

お盆休みの東京市場。都心部は人通りが絶え、閑散としています。

週明けの月曜日は寄り付き前から、果たしてどの辺まで下落するのかが問われた1日でした。

結果から述べれば、日経平均は4日続落。下げたことは下げましたが、下落幅も率もかなり限定されたものでした。

日本の終末の金曜日は「山の日」で祝日だったことが幸いしているようなところがあります。

北朝鮮による核弾頭の保有が報じられ、それに伴う米国との軍事的緊張が表面化して以来、米国や韓国、アジア各国は週末に1日だけ多く取引されています。そこではマーケットの動揺は限定的だったことが判明しています。

遅れて取引された東京市場はさすがにほぼ全面安となりましたが、おおむねしっかりしていたと言ってよいでしょう。

下げの目立ったところは、新日鉄住金、JFEホールディングスなどの鉄鋼株、コマツやファナックなどの機械株、それに銀行・証券・生損保の金融セクターでした。

北朝鮮リスクはすなわち、中国による経済制裁の発動という中国リスクにつながりかねず、それが中国関連株の下げを招いているように考えられます。

金融セクターについては、こうなってしまっては欧米による年内の利上げシナリオは大きく後退し、金融業界にとって利ザヤの確保はますますむずかしくなる、と見られたようです。

全面安は仕方のないところです。むしろ本日の地合いで、逆行高を演じた銘柄にはそれなりに味のある銘柄が数多く見られました。

石川製作所(6208)、東京計器(7721)、豊和工業(6203)の「防衛関連銘柄」が急騰するのはよいとして、決算発表に伴う業績好調銘柄の中には、相場全体が落ち着いた時に将来の物色の方向性を暗示しているものが含まれています。

人材関連:リクルートHD(6098)、アウトソーシング(2427)
AI、IoT関連のソフトウエ開発:豆蔵HD(3756)、システナ(2317)
「働き方改革」:リンクアンドモチベーション(2170)
健康寿命:正栄食品工業(8079)、不二製油HD(2607)
景気敏感株:パンチ工業(6165)、冨士ダイス(6167)

ここからはテクノロジーセクターの動向が焦点です。

週明けのNY市場でテクノロジー株がどれほど下値抵抗力を示すか、その点にすべてがかかっています。ここまでの上昇があまりに華々しかっただけに、この業界に関してはまだしばらくは神経質な値動きが続くと見ておいた方がよさそうです。

しかしそれを除いた部分では、週明けの東京タイムで内需系銘柄を中心に、すでに別の動きが出始めているようです。

「ミスター・マーケット」の意向は、実際のところよくわかりません。それでもひとまず第1四半期の決算数字が出そろったことでもあります。

当面はこれらの決算内容を吟味しながら、業績の底堅い銘柄が株価上で下振れするようであれば、最初の買いを入れてみようかというにらみ合いが続きそうな雲行きです。

以上(スズカズ)