株式市場の9週連続での上昇、に思う(スズカズ)

【2017年11月5日(日)】

鈴木一之です。先週の株式市場も堅調な動きとなりました。

TOPIXは9週連続での上昇を達成し、いまだに快進撃は続いています。

ただ、さすがにここまでくると強弱感の対立が激しくなりました。先週の木曜日、誰もがびっくりした午前中の日経平均、23,000円の大台乗せの後、昼からは一転して株価が急落しました。

結果的にその日は▲45円の小幅マイナスで終わりましたが、チャートの形状で見れば、上ヒゲと下ヒゲを同時に大きく伸ばす「十字線」の形になっています。

いわゆる「波高き」波乱の線です。「波高きは天底の兆し」と言いますが、9週間も上昇を続けてきた後だけに、底値ということはありません。天井近しのシグナルとして、ここはやはり警戒感が先に立ちます。

この9週間の上昇が果たしてどのような理由によってもたらされたのか、この間の日本経済や株式市場の中で何が変わったのか。実際のところよくわかっていないように思います。

表立っては何も変わってはおりません。日本では衆院選が終わり、中国では共産党大会が終わり、米国ではFRBの資産圧縮が開始され、トランプ減税も少しずつですが前進し始めました。

ひょっとすると目に見えないところで何か大きな変化が起きているのかもしれません。

ひとつ大きく変わったことと言えば、原油価格をはじめとする国際商品市況です。非鉄、鋼材、半導体、いずれも堅調な値動きを続けており、むしろ一段と上昇力を強めています。

それが株式市場では、総合商社や専門商社など、景気の動向に敏感な銘柄の上昇となって現れています。このあたりの銘柄はいずれも業績は絶好調で、先行きの株価にもまだ十分に期待が持てます。

このあたりの動向が11月相場の後半戦、ひいては年末相場と来たる2018年相場のカギを握ると考えてよいでしょう。

来年の相場展望は、また稿を改めて徐々にご披露させていただきたいと思います。

以上