危ない上昇 (魔術師 奥村)

こんにちは。

今年に入っても、株価は好調の流れを維持していますね。あまりに調子が良くてむしろ危なさを感じる方も多い事でしょう。

NK225いわゆる日経平均をトピックスで割り算したものをNT倍率と呼びます。

2013年の頃は12倍前後でした。その後、次第にNT倍率が上がってきています。NT倍率が上がるという事は、分母のトピックスに対して分子のNK225が割高になっている事を示します。

昨年7月に入りNT倍率は12.5倍をピークに急落、9月に入り12倍程度まで下がりました。
その後再び上昇し、12月に12.7倍まで急上昇しました。この時は日経平均の歴史的な,猛烈な上昇を伴っています。

12月中旬には落ち着いて12.5倍程度まで下がりました。この12.5倍という値が、2015年から2017年の間のピークの目安です。

そして、今年に入り、再び上昇しています。本日は前場の時点で12.65を超えました。急上昇といってよいでしょう。

日本の状況は、年末と変わりません。海外の市場も、日本が休んでいる間にNYダウはわずか0.34%、ナスダックはまぁ上昇しましたが1.6%です。それに対し、大発会の上昇は3.3%。

日本も海外も変わらないのなら、日本が休んでいたからといって休み明けに急な上昇をする必要はありません。日本だけ急に上がるのは何かある、と考えます。それでなくても、減税があって上昇した米国と違い、日本はむしろ今年は消費税増税が決定的なわけですから、状況が異なります。

今年のなってからの上昇は、おそらく(特に海外)短期筋の買いがもたらした短期的な日経平均の上昇でしょう。これはつまり、売りも短期で入るために、下落も発生しやすい状況になりそうだ、ということです。

2月になると、第三四半期決算の発表が始まります。その時には、正常な価格付けに戻してくるものと思いますが、今の上昇はこうした危なさがある、とみています。

それでは、また次回。