金融情報と虚数 (魔術師 奥村)

金融相場は、情報が動かしています。

たとえば、このような情報です。

xx大臣がこういった、大物投資家xxがあの銘柄を買った、著名アナリストがyyを推奨した、nn新聞にzzという記事が掲載されたetc,etc.

テクニカル分析も、ファンダメンタル分析も、企業の業績発表も情報ですね。

ありとあらゆる情報が、相場参加者に届き、その参加者によって取捨選択され、部分的、断片的な解釈をされ、最終的には相場への注文という形になります。

日本株であれば、こうした総合的な姿として、全ての注文は取引所=東証に集中され、東証のコンピュータによって時間軸に沿って処理され、注文がこなされ値が刻一刻と変化してゆきます。

こうして、証券価格が形成されると言ってよいでしょう。

では、その情報は、どのような形をもつのでしょうか。

この情報という正体不明なものを数式で示す試みは、古くからありました。

巨大な情報を処理する=相場が動き株価がつく

というわかりやすい数式になっているという事実を、仮に何らかの数式で情報を記述できるのであれば、その情報数式を使って株価を解析できると考えられるからです。

左辺は、ビッグデータ解析です。
右辺は、その結果起こる株価です.

僕も、もうずいぶん前から、こうした研究に参加してきました。

ほとんどの場合、処理しやすさと扱いやすさから、情報価値を虚数を使って記述します。

世の中には、見た目存在しないものでも、仮に「それが存在する」と認めてその概念を利用して説明してみると、実にうまく説明できる事が多々あります。

その場合、物事を説明するためには「それが存在する」として使ってみる事は有用である、ということになります。

社会文化学では、「神」がその代表になりますが、数学や情報工学の世界では虚数がそれに該当するでしょう。

虚数とは、その数を二乗するとマイナスになる数字をいいます。

数学ではiを使って表記します。

英語で imaginary number(想像上の数字)というところからきているのでしょう。工学では既にあった電流i(アンペア)と間違わないよう、その次のアルファベットであるjという記号を用います。

i^2 =-1
or
i = √-1

です。
高校生の時、数学で多くの人は学んでいるとおもいます。

さて、経済や金融相場は波で表すことができます。その波は数学的には複素数で記述できます。
複素数は、実数と虚数で構成されるもので、

複素数 F = X + iY , X,Yは実数、iは虚数です。
Y=0の場合、F=Xになるので、複素数は実数を含む広範な記述ができることになります。

これを証券価格にあてはめると、

証券価格 f(t)=x(t) + iy(t) ,ただしtは時間、

といった具合です。

複素数を使うと、この記述で時間軸をもった3次元空間を表記できます。

波はチャート分析をしている人にはおなじみですが、こうした表記方法もあるのですね。

こうした手法がうまく将来価格を言い当てるかどうか、どの程度優れているかは、まだ研究レベルですから、ジャッジするには時期尚早です。

が、債券やFXのような、商品種類が極端に少ないものには、本質を突いたハイレベルな予想を行える感触があります。

ここで、何が本質なのか、という疑問もわいてくるでしょう。

これは深いので、いずれあらためて、書いてみたいと思います。