【2018年3月19日(月):「ゼロイチ銘柄」がことごとく売られる週明け】

日経平均:21,480.90(▲195.61)

鈴木一之です。週明けからかなり大きく下落しました。しかも「ゼロイチ銘柄」が売られました。

日経平均をはじめ、それ以外の株価指数の下げ幅以上に、体感温度としてはかなり厳しい冷え込みになっているように感じます。

そう感じざるを得ない理由としては、主力の大型株に下げが集中している点にあります。それが「ゼロイチ銘柄」です。

銘柄コードが「01」で始まる銘柄。それがゼロイチ銘柄です。新日鉄住金(5401)、日本郵船(9101)、日立製作所(6501)などがそれです。業界を代表するトップ企業のことを指します。

本日の下げに関しては、すでに前場の段階からソニー(6758)が▲4%も下落している時点で注目を集めていました。

週明けからソニーがこれほどまで大きく下落する理由は、本日に関して言えば特別には見当たりません。

もともと株式市場全体のエネルギーがかなり細っており、売買代金は先週末から連日のように、今年の最低レベルを更新していました。

そのような時に機関投資家からほんのわずかでもまとまった売り物が出ると、ソニー級の主力銘柄でも大きく値下がりしてしまいます。

それにしても▲4%の下げは大きすぎるように感じます。ほかにも、三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)が先行して今年の安値を更新しており、遅れてみずほフィナンシャルグループ(8411)も下落しました。

ゼロイチ銘柄は主に機関投資家が保有しています。外国人投資家の好む銘柄でもあります。

本来であればこのような軟調な局面で光を放つはずの花王(4452)も、ディフェンシブ的な銘柄の特性をほとんど発揮することなく、保ち合いレンジを下に抜けるような下げとなっています。

JR東日本(9020)は大引けで少し戻しましたが、一時はけっこう下げました。

最も厳しいのが三菱商事(8058)、三井物産(8031)の総合商社、および日本精工(6471)、日本郵船(9101)、新日鉄住金(5401)、三菱ケミカルHD(4188)などの景気敏感株です。

このグループは3月7日の安値形成を最後に、小康状態をこれで2週間ほど保っていましたが、再び下落が始まったかのような弱い動きに戻りつつあります。

この間、トランプ大統領の吠える保護主義の嵐にもなんとか耐えていましたが、下値を食い止めていたタガが外れてしまったかのような下げ模様です。

金利や為替が影響を及ぼしているうちはまだよいのですが、こういう特段の材料のない下げが一番こたえます。半導体関連株が高値をとって支えていた分が剥落してしまったようにも感じられます。

マーケットは本当に、先行きの世界的な景気鈍化を感じ取り始めたのでしょうか。しばらくは中国、および日本のマクロ経済統計の内容に目を凝らす必要がありそうです。

買いはひとまずごく控えめにして、キャッシュを多めに。あえてここで行くのなら、好業績の確認された内需系小型株ですが、それでも慎重に慎重を期して。

以上