【大型連休も終盤、いよいよ5月相場が本格スタート】(スズカズ)

<日経平均>
2018年5月4日(金)休場
2018年5月3日(木)休場
2018年5月2日(水)22,472.78(▲35.25)
2018年5月1日(火)22,508.03(+40.16)
2018年4月28日(月)休場

<NYダウ工業株30種>
2018年5月4日(金)24,262.51(+332.36)
2018年5月3日(木)23,930.15(+5.17)
2018年5月2日(水)23,924.98(▲174.07)
2018年5月1日(火)24,099.05(▲64.10)
2018年4月28日(月)24,163.15(▲148.04)

鈴木一之です。連休はいかがお過ごしですか。

日本はGWで長いお休みでしたが、海外市場はそんなことはまったく関係なく、ごく普通に経済活動が続けられておりました。

中核となるNY株式市場では、日本の休暇中にFOMCが開催され、雇用統計が発表され、ムニューシン財務長官とロス商務長官、ライトハイザーUSTR代表、それにナバロ大統領補佐官ら主要人物が中国を訪れて、初めてとなる米中間の貿易協議を開きました。

報道ベースでは米国は中国に対して、2020年までに貿易赤字を2000億ドル(22兆円)削減するように求めたそうです。これまでの主張よりも1000億ドル積み増しています。

これに対して中国は、米国からのハイテク製品や技術の輸出規制の緩和を訴えたそうです。中国が輸入額を増やせば米国の貿易赤字は減少するという理屈ですが、米国が輸出したいものと中国が輸入したいものがあまりにかけ離れていて、妥協点はなかなか見い出せない模様です。

一方、米国の4月の雇用統計は失業率が3.9%に低下し、非農業雇用者数の伸びは+16万4000人の増加でした。平均時給は26.84ドルで、前年比+2.6%の増加にとどまっています。

失業率は17年ぶりの水準まで低下しており、米国の景気拡大は堅調に続いていることがうかがえます。長期金利の上昇は抑えられており、金曜日の米国株式市場はほぼ1か月ぶりの上昇幅(+332ドル)を記録しました。

10兆円もの自社株買いを発表したアップルが史上最高値を更新。インテル、マイクロソフト、シスコなどテクノロジー株がNY市場の株高を牽引しています。消費関連株もまずまず堅調でした。

米国は今回のFOMCで物価見通しを引き上げたことから、次回6月のFOMCでは利上げを実施することが濃厚となりつつあります。

これで2月のパウエル議長の就任以来、今年の利上げの回数は「年4回」か「年3回」の間で市場の見方は大きく揺れてきましたが、こうなると「年4回」で決着しそうな雲行きです。

米国の経済は好調ですが、心配なのはユーロ圏です。4月半ばにドイツのZEWが発表したZEW景況感指数は、3月の5.1から13.3ポイントも低下して-8.2になりました。前月も大幅に低下したことから、欧州の景気鈍化がかなり際立っています。

この理由としてZEWでは、シリア情勢が緊迫度を増しており、米中間の貿易紛争も激化しつつあることから世界全体の貿易量が停滞していることを挙げています。もしかするとこの上にロシアに対する経済制裁の影響が加わっているかもしれません。

金融政策上の出口を模索しているユーロ経済は、これでまた正常化に着手する時期が先に伸びることになりそうです。ユーロが対ドルで下落する流れが鮮明となっており、ドルインデックスでもドルの独歩高がさらに強まっています。

そこから対円でもドル高・円安が続いており、この連休中に1ドル=110円に乗せる場面もありました。日本でも円安によって物価上昇にさらなる弾みがつきそうです。

以上