1年単位での一定期間、ある資金を運用するとき、まず考えるのが、自分で運用するか、人に任せる、でしょう。
人にまかせる、というのは、投資信託をえらぶ、あるいは、金融商品を選ぶ、ということになります。
一部の、腕に自信のあるひとは、躊躇せず、自分自身で運用する事をえらぶと思います。
これはこれで、そのジャッジのためには、正しいプロセスがあるのですが、それはさておきましょう。
多くの人は、全部、あるいは、一部をまかせてみようと思うでしょう。
任せると、いったいどのくらい、増やしてもらえるのだろうと、調べてみることになります。
しかし、調べるのも結構な専門知識が要求されます。
自分で調べ、そして判断できるほどの人であれば、おそらく、自分で運用するスキルもあるはずなのです。
webで’良い投信サイト’、’一番良い投信選択サイト’、的なサイトでも調べる事ができますが、
多くの場合広告サイトであり、正しい情報ではありません。
手ぐすね引いて待っている投資信託に誘導されるわけですから。。。
私も定期的にデータをとって、評価していますので、実名を公表せずに全体像をみてゆきたいと思います。
投資信託全部だと膨大ですから、ここつづいている老後資金というテーマに合わせて、iDeCoに絞ってみます。
iDeCoとは、毎月給料から一定額を積み立て=拠出してプロに運用を任せ投資信託です。
確定拠出型年金ともいいますが、税金面で優遇される、自己努力型の年金ですね。
税金面でも優遇されていますので、かなりの方が利用されている事でしょう。
iDeCo専用に設計された投資信託もありますし、汎用で販売する商品をそのままiDeCo制度の中で販売する投資信託もあります。
現在の時点で、過去5年間の運用データが取れるiDeCoとして使える投資信託は350本あります。
それを全てリターン順に整列させたチャートがこれです。5年のリターンを1年平均で計算しました。
5年間の平均リターンは、17.52%でした。従って、複利計算では1年の平均リターンは3.18%です。
リスク資産を運用しているので、少なくとも、良い数字ではありません。
平均リタ―ンがマイナスの投資信託も20本ありました。
存在比率 5.7%です。
株式運用を含むリスクをかけて運用し、それも5年もの期間運用し、マイナスになっている確率が5.7%はひどい。
この相場が調子よい5年間で、どう運用したらマイナスになりえるのでしょうか。
国債の利回り以下の投資信託は182本ありました。
存在比率 52%です。
まさか。
日本国債という、最も安全な資産運用に、半数以上が負けているというのは、驚愕としかいいようがありません。
さんざんたる結果です。
一言で言うと、しっかりしたプロが運用していないというのが理由でしょう。
どの世界でも、プロがアマに負けることが許されるはずがありません。
100回やって、1回くらいなら、まぁ仕方ないかもしれませんが、この結果は受け入れることはできません。
iDeCoは、今やっている人は、簡単にやめる事は出来ないでしょうから、金額を極小に変更する。
今、まだ加入していない人は、少なくとも今は入る時期ではありません。
これが正しい判断になりましょう。
では、また次回お楽しみに。