正月に変わったリズム (魔術師 奥村)

相場というものは、上がったり下がったりしながら、チャートでは右方向、
常に時間軸に正の方向に進みます。

これを、一日単位でみると、下がるか、上がるか(まれに全く変わらず)のどちらかなのですが、
これを予測することが困難です。上がるにしても下がるにしても、ほぼイーブンの確率なのです。

統計データでみてみると、こうなります。

東証は、2019年1月7日の時点で19015日の営業をしています。
下がった日 8937 (47%) 上がった日 10069(52.95%) 変わらず 9日(0.05%)です。

これを、下がった翌日に上がるか、下がるか、をみてみても、やはり五分五分です。

じゃんけんと似ていますね。

勝った後に次勝つであろう確率も、負けた後に、また負けるであろう確率も、五分五分です。

これを解釈する限り、チャート分析で、一日単位での株価をみて占う方法では、負ける確率も、勝つ確率も、五分五分と言い換える事ができます。

(ただし、厳密にいえば、勝つ可能性の方が53%あり、負け確率より高いので、チャート分析でも、3%の歪を発見できる可能性はあります)

ところで、一日より短い期間、(たとえば10分とか)を考えると、ある一定方向に向かう法則性も発見できます。多くの場合、リズムをもちます。あるリズムで動くルールで相場が踊っているように見えます。

短時間のリズムで、かつ短命であり、そのリズムはあっというまに変化するので、発見したと同時にトレードに生かさないといけません。いわゆるデートレ向けの手法です。

同様に、一日より長い期間、(たとえば、10日間とか)を取ると、ある一定方向に向かう(上下しながらも)法則性も発見できます。

たとえば、収束点です。
上げが、(あるいは、下げが)、いきすぎた場合(これをオーバーシュートといいます)、その修正が行われており、収束点に向かっている事を発見することがあります。

振り子の動きに例えることもありますね。振り子を観察すると、そろそろ動きが反転する時期も予想する事ができます。

一日より長い期間をみるので、一日単位でトレードする人向けの手法でもあります。

さて、昨年10月11日以降、米中貿易摩擦の動向が世界の株価を大きく動かしてきました。
まだまだ、楽観はできないのですが、リズムに変化がおきてきました。

このチャートは、ときどき私が参考に作るものです。横軸は10月11日以降の営業日、縦軸は0以下は前日比マイナスになった日、0以上は前日比プラスの日です(最終日は2019年1月7日午前)。

(数字の大きさはリターンを示しますが、リターンそのものではなく、NK225指数のリターンの標準偏差を示します。偏差は戦後の東証全営業日のリターンにもので、普通は50を中央になるようにしますが、0を中央にする方がわかりやすいので、そうしています。少し難しいので、無視してくださってかまいません)

今週、1月7-8日に米中の貿易協議があります。次官級で実施するのは初めてですが、その進展次第では、振り子が大きく戻してくる可能性があると期待できるものです。

では、また次回をお楽しみに