センチメントの確認 (魔術師 奥村)

明日から元号が変わります。

何か具体的に変わるというものではないでしょうが、少なくとも、気分が変わりますね。

気分が変わるというのは、市場のセンチメントが変わるという事にも通じますから、相場にとって大事なことです。

さて、株式市場の気分を数値にするには、今までも時折お伝えしていた、perを使います。

今回は、気分を変えて、その逆数を使おうと思います。

per= 株価 ÷ 一株当たりの(税引き)利益

ですから、その逆数は、

1/per = 一株当たり利益 ÷ 株価

です。

これを益回りといいます。

昨年1月末に以降の、益回りとNK225指数の推移をみてみましょう。

 

 

 

 

 

(2018.1.31-2019.4.26, bloombergよりTrioAM作成)

益回りは、一年の利益 が、株価の何%になっているか、という数字になります。

仮に、企業が利益を全て配当に回すとすると、そのまま、債券の利回り

債券の利回り= 1年間に受け取る利子 ÷ 債券価格

と同じ次元になり、比較できます。

従って、株式が債券と比べて割高か否かを比較するときに使う数字になるのです。

実務では比較する相手は国債です。現在国債はマイナス金利なので、比較するまでもなく、株式がお得です。

(だってマイナス金利とは、国債を購入すると金利をもらうのではなく、払う必要があるわけですから、普通は買わないですよね.)

それにしても、今年は株式は調子よく上げてきていますので、益回りもそれにつれて下げてはきていますが、昨年と比べると、そう下げていない事がわかります。

企業が、今年も稼ぐ(見込み)だからです。

現在、nk225の益回りが 7.92% ですが、これは、株価のうち、7.92%が今年度稼ぐであろう利益であるということです。

ちなみに、配当利回りは2.09%ですので、利益のうち、実際に配当される比率は、

2.09% ÷ 7.92% = 26.4%

となります。

配当が出るのは来年になりますが、結構、配当で戻ってくるんです。

まだ、株価は割安である根拠が、こんな見方からもできると思います。