2019年11月5日、日経平均は、ついに2万3千円の大台を回復しました。
終値ベースでここまで戻すのは、昨年10月以来のことでしょう。
その後も、順調に上げ基調を続けています。
なぜ、こんなに上げてきたのでしょうか?
この理由を紐解かずに、今後の相場を考えることはできません。
まず、素直に、8月以降の株価をみてみます。ここでは、PERと呼ばれる、
市場参加者が感じている’センチメント’と合わせてみてみます。
センチメントは、見事なまでに、日経平均とピシッと歩調があっていますね。
つまり、8月以降、好調な株価推移になっているが、その大きな理由が、センチメントであった事がわかります。
ということは、
株価のもう一つの大きな要素である、’稼ぎ’は、8月とほとんど変わっていないではないでしょうか。
さっそく、見てみましょう。ここでは、EPSと呼ばれる、一株当たりの利益と合わせてみてみます。
あれれ、むしろ、稼ぎは悪くなっています。
これはおかしな事です。
稼ぎが悪くなっているのに、株を買う気運が高まっているということです。
NYが、非常に調子よく上がってきているので、そのせいでしょうか。
並べてみてみましょう。
日経平均とNYダウを別々のスケールで絶対値で表示してみるとこうなります。
なんとなく、同じ感じで動いてきたことはわかりますが、微妙な差がわかりません。
そこで、8月1日を100として、この日に買ったら、今いくらになったかを算出してグラフにしてみます。
なんと、NYダウは 104.13(11月8日終値)、日経平均は108.6 (11月8日終値)です。
日経平均の方が、リターンが大きい。 108.6- 104.1= 4.5%も 期間リターンが大きいのです。
これは驚きです。
米国の最近の株価が好調なのは、FRBの利下げと、米中貿易戦争の終結を期待しているからです。
ある国の金利が下がると同じ国のの株価が上がる法則がありますし、貿易戦争が終わると米国は当然にありがたい。
だから、株価が上がるのは当然です。
でも、ちょっと待ってください。
この米国の理由は、日本にとって、どうなのでしょう。
米中貿易戦争が終わると、中国の市場が成長を始めるので、世界的にも景気刺激になります。
それは、喜ばしい事ですね。
でも、中国から日本にデバイス調達を切り替えている米メーカーは、また中国に戻ってゆくでしょう。
これは、日本にとってマイナスです。
米国の金利が下がると、より高い金利を求めて、お金が米国の国外に流れてゆきます。つまり、ドルが売られます。
そう、これは円高を意味します。
この時、輸出企業が多い日本株は、円高に嫌気し、本来は下がります。
ということは、米国と同じように上がってきた日本株の、上げた本当の理由は、何だったのでしょうか?
どこか、米国とは別のところにあるのでしょうか?
もう少し、掘り下げて、調べてみようと思います
では、また次回をお楽しみに.