昨年以来、世界経済は、米中貿易戦争に振り回されている感がありますね。
それを数字として、世界の中で確認してみましょう。
世界の経済成長率は、国際通貨基金(IMF)の世界経済見通し(2019年10月15日)によると、2019年は3.0%です。
7月の見通し値から、米中貿易戦争の影響や天災などによる下方修正が-0.2%ほど行われました.
過去の成長率を2000年以降、見てみましょう。2019年以降は予想値です。
あらためてみると、2008年のリーマンショックを境に、成長にブレーキがかかり、その影響は特に途上国に現れている様子が見て取れます。
そして、2019年は、案外先進国は持ちこたえていて、2020年は世界としては2019年より良くなるという予想になっています。
米中戦争の影響は、先進国ではなく、途上国に出ていることがわかります。当然に中国はその一因に分類されています。米国が、困るのは中国だ、と言っているのは、強がりとも言い切れないわけです。
ところで、各国の経済をみるとき、輸出に依存している比率を GDPの比率として表すと、輸出依存度がわかります。
輸出依存度 = 輸出金額/ GDP です。
米国は、自国内に何でもあるので、輸出に依存していないのはわかりますが、案外、日本も輸出依存度が低いことがわかります。
これはつまり、米中貿易戦争の影響は、欧州が受けやすい構造になっているということにもなります。
この前知識をもった上で、株式指数をみてみましょう。
欧州は、なんと米国とほぼ同レベルの高みに達しています。
スタート時点を昨年の12月にしていますが、今年をスタートとすると、欧米共に、実に25%ものパフォーマンスを実現しています。
いつものことですが、日本は出遅れているのですね。
株価が戻しているとはいえ、なんのことはない、今の日本の株価は、昨年12月のレベルに戻ったに過ぎない事を確認しておいてください。
この認識、つまり、今の状況が、過去からの流れにおいて、どこにいるかを認識することは、今後株価がどう動くのかを予想する上で、非常に重要と思います。