「悲劇の火曜日」を忘れるなかれ(スズカズ)

【2017年8月14日(月)米国:先週の下げ幅をほぼ取り返す大幅高】

NYダウ:21,993.71(+135.39、+0.62%)
Nasdaq:6,340.23(+83.68、+1.34%)
S&P500:2,465.84(+24.52、+1.00%)

緊迫の週明け月曜日、米国の株式市場は3指数が一斉に上昇しました。

北朝鮮リスクは外交手段による解決を目指す方向性がはっきりとしてきたため、急速に鎮静化している模様です。

S&P500が+1.0%の上昇を記録し、今回の地政学的リスクによる下げ分の大半を取り戻すほどの堅調さを示しています。

ティラーソン国務長官とマティス国防長官が連名でウォール・ストリート・ジャーナル紙に寄稿しました。内容は「北朝鮮が核実験やミサイル発射による挑発をやめるのであれば、(平和的解決を巡る)交渉のテーブルにつく用意がある」というものです。

米中首脳による電話会談を受けて、すでに中国は、国連安保理の決議を受けて石炭などの北朝鮮からの物資輸入を停止しています。

北朝鮮に対して原油の禁輸などはさほど効果がないと見られており、最も効果的なのは中国が北朝鮮からの物資輸入を止めることだとされていました。仮にそうなれば、北朝鮮は核実験を継続する外貨の調達手段が止められてしまうからです。

そこに「対話も排除しない」とのティラーソン、マティス両氏連盟での寄稿です。

米国の態度軟化の兆しと見てよいのでしょう。

これで米国の株価が持ち直してくるようだと、日本のマーケット全体も落ち着きを取り戻し、あらためて今回の決算発表の内容を吟味する「業績相場」に戻ってくるように思います。

ただし、まだ油断はできません。1929年10月。「暗黒の木曜日」は有名ですが、それに続く「悲劇の火曜日」と呼ばれる株価急落はあまり知られてはおりません。火曜日の下落が投資家の絶望と悲嘆を決定づけたとされています。

米国の株式市場は、火曜日の動きが重要です。

以上(スズカズ)