【2017年11月3日(金、祝)、歴史的な10月相場】
鈴木一之です。株式市場にとって「魔の10月」を無事に切り抜けたこと。今はこれが何よりの安堵感です。
この間、日経平均は史上初の16連騰を達成。
なんでも「16連騰」は、主要国の株式市場では世界新記録を樹立したのかもしれない、とうわさされているそうです。
10月の立合日数(営業日のこと)は21日間。この間で日経平均が下落したのはわずか2日間だけです。
それも▲97円安(10月25日)と▲6銭安(10月31日)という、非常に小さな下げです。
ほとんど下げないまま、11月に入っても株式市場は上昇の勢いを持続しています。
注目すべきは、11月1日(水)の動きです。この日、日経平均は+408円上昇しました。
ソニー(6758)が20年ぶりに営業利益で最高益を更新し、株価が急伸したことが要因です。
同じ日に東京エレクトロン(8035)も驚異的な好決算を発表して、株価がITバブルを超える上場来高値をつけたことも重なりました。
代表的な2銘柄が大幅高となったことから、日経平均が+400円以上も上昇したのですが、その割に同日の値上がり銘柄(東証1部)の数は1200銘柄程度にとどまっています。
今年に入って日経平均が1日で+400円以上値上がりしたのは3回あります。今回が4回目です。
その過去3回は、いずれも単日の値上がり銘柄数が1700銘柄から1800銘柄に達していました。全面高です。
【2017年の「日経平均+400円以上の上昇」例】
・5月8日:+450円、値上がり銘柄数:1875
(仏大統領選でマクロン氏勝利)
・2月10日:+471円、値上がり銘柄数:1707
(トランプ大統領、税制改革を約束)
・1月4日:+479円、値上がり銘柄数:1851
(大発会、年末年始の米国&中国株高)
【そして今回】
・11月1日:+408円、値上がり銘柄数:1248
(ソニー、東京エレクトロンの好決算、好業績への期待充満)
要するに、今の相場は決して「全面高」ではないということです。
買われる銘柄とそうでない銘柄がはっきりと分かれています。
全面高の相場はある意味では単純です。マクロ経済的な動きによってもたらされることが多く、原因さえしっかり把握できれば、その後はフォローするのが案外たやすいように思います。
しかし現在のように全面高ではない相場は、これは単純ではありません。
「銘柄を選別する」という根気のいる作業が求められます。
ある程度の慣れと経験が必要です。
業績相場は久しく見られなかったわけですが、東京株式市場はまさに正真正銘の「業績相場」になってきたということでしょうね。
以上