前回、相場復活の兆しがあったと書いたばかりですが、再び相場は反転、ネガティブないやーな雰囲気が強まってきました。
ファーウェイ問題における、米中貿易戦争の深刻化です。
個人的には、この問題は楽観視しています。
もうひとつ、懸念がありますので、今回はそれを取り上げます。
ブレクジットです。
英国は、EUとの間でブレクジットの条件を取りまとめた案を議会採決にかけます。
採決は12月11日(日本時間11日深夜)に行われることになっていましたが、前日になって急きょ延期されました。
野党は反対に回ることがわかっており、さらに与党の足並みもそろっていない事で承認されないであろう危機感を抱いたのです。
しかし、いずれ近いうちに必ず採決が図られます。
結果次第では、相場は大きく揺れるでしょう。
可決されると一定の節度を保ちながら別れる、いってみれば協議離婚が成立します。
相場にとって、ひとつの不透明要因がなくなります。
否決された場合、ケンカ別れです。合意なしで離脱することになります。
その後は全く未知の世界です。相場は不透明感を高める動きとなるでしょう。
EU側の交渉担当官は、否決さればあい、将来の関係が全くないまま移行期間なしで、規定通り3月29日にEUから離脱することになると発言しています。
再びやりなおす、離脱撤回の可能性はゼロではありませんが、メイ首相はこの選択肢をずっと前から否定していますし、再度の国民投票を意味しますのでスケジュール的に不可能です。
ところで、今日、英国は過去40年間で最も失業率が低い4%になっています。経済は非常に安定しています。
イングランド銀行(BoE)は、11月の報告書で、合意なしで離脱すると2023年までに失業率は7.5%に達し、GDPは-8%、ポンドは25%下落すると警告しました。
(ちなみに不動産は30%下落する、とも書いています)
2016年6月、ブレクジットが国民投票で多数を占めることが判明したとき、日本市場は8%下落しました。
今回もそれと同じショックとするなら、1700円程度の下落する事になります。
(2016年は年末からの強力なトランプ相場もあり、その時が最安値になりました)。
10日(mon)の引け値から1700円下落すると、19500円です。
11日に予定通り採決されたばあい、今年の安値をつける可能性があったのですね。
2016年は年末からの強力なトランプ相場もあり、その時が最安値になりました。
ここで勝った人は正解でした。
今回19500円にまで下がったばあい、PERは 10.9倍。過去最安に近い水準になります。
その時が来たとき、株価水準をどうとらえるか、決めておくと良いでしょう。
では、また次回。