平成相場をふり返って (魔術師 奥村)

4月に入り平成が最後の月を迎えました。
ここ最近は、平成の総まとめ的なTV番組も多く、皆さまもいろいろな回想があったと思います。

少し驚いたのは、平成が平和で素晴らしい時代であったというTVコメンテータが結構いたことです。

個人の感想なので自由ではありますが、平成は、日本にとっても、世界にとってもテロ、天災、戦争に苦しんだ(今も苦しんでいる)時代だったと私は思います。

特に日本にとっては、昭和のような経済成長をしなかった、失われた30年でした。
さっそく、平成の相場をふり返ってみましょう。まずは、平成30年間をNK225で見てみます。
(平成の初相場は1989年1月9日でした)

鳴かず飛ばず。平成初期の株価はピーク時の半分くらいの位置でウロウロしています。まさに失われた30年といってよいでしょう。

 

 

欧米と比べると、さらに驚く結果となります。
日欧米、それぞれの株価指数を1988年末日=100としてプロットしたものです。

 

 

 

 

 

米国は株価が12倍。欧州も4倍。これに対し、日本は 0.7倍です。

なぜ、こうも違ってしまうのでしょうか。

長期で、かなりマクロ的な視点で言えば、

経済成長が低い、
人口が増えない、
円高進行、
国家の財政赤字や国債という借金が多額、

などの構造的理由が主体になると思います。

個人投資家の数が少ない(金額も少額)である事も理由に挙げてよいかと思います。金融教育が行われておらずリテラシーが低いゆえに投資行動が成熟していない、ということになります。

税制でも投資分野を中心に整っていない事なども理由にあげられましょう。

ここまで大げさな理由にひろげてしまうと自己解決できる範疇を超えますね。

令和の時代には、こうした構造が改善される事を期待しながらも、今は今で、最適な行為を個人で行う事がせいぜいできる事でしょう。

一定の余裕がある方は、少し勉強してポートフォリオに海外投資を組み込むと良いと思います。