NT倍率から読む市場の歪 (魔術師 奥村)

NTBあるいはNT倍率と言われる数字があります。

NTB=NK225÷TOPIX

で計算する単純な指標です。

TOPIXは、東証一部上場株式の時価総額を指数化したもので、
NK225は、日経新聞社が選んだ東証225銘柄の株式の単純平均です。

NK225でウェイトの高い銘柄は、値嵩株で、9983ファーストリテイリング(9.97%)、9984ソフトバンクグループ(5.85%)、6954ファナック(3.56%)、

8035東京エレクトロン(2.9%)です。4銘柄だけでウェイトは22.28%です。

TOPIXでウェイトの高い銘柄は、7203トヨタ(3.23%)、9984ソフトバンクG(1.83%)、8306MUFG(1.7%)、4502武田(1.69%)です。この4銘柄のウェイトは8.45%です。

(注)ウェイトは、日経平均は4月15日引け時点日経新聞社発表値、TOPIXは2月末日東証発表値

先週末(4月12日金曜日)、相場の中で大きな歪が発生しました。
それまでは 13.3%程度で安定していたNTBが、4月に入り一気に上昇、12日には13.62にまで上がったのです。

 

 

 

 

 

NTBが上がると、NK225が相対的に上がり、TOPIXが相対的に下がる事を意味します。

特にファーストリテイリングは、決算が良くないにも関わらず12日(金曜日)には前日比7.9%と圧倒的な上昇を遂げました。

11(thu)に発表された半期決算では、半期連結純利益は前年比9%の増益と過去最高でしたが、2019年8月通期の見通しは営業利益下方修正でしたから、明らかに過大評価です。

 

 

 

 

これは、何を意味するでしょうか?

短期筋の海外投資家の買いです。

長期筋は、海外投資家は売り越していますが、それを上回る買いが入ったのですね。

22000円の大台を超えさせて、弱気筋を煽る戦法でしょう。

短期の買い情報は、順張りであればトレンドに乗る事になりますが、短期の売りの前兆サインともなります。

十分な理解の上、トレードの準備をなさってください。