人間が安定して進むには、少し前を見極めて進む必要があります。
例えば、人が歩くとして、10-20mまでは見る必要があり、たぶん、その場をその時に歩くときには、既に数秒前に検証した道なので、歩くとの時点では、いわゆる足元はみないのだと思います。
その時には、既に、また数十メートル先を見ているんですね。
従って、例えばエレベーターが来ていないのに、扉があくと床がない!という状態で底に落ちる事故が時々あるし、マンホールに落ちる事故もありますね。
こうした事故を防ぐには、石橋を杖をついて渡る必要があるので、確率的な理由から却下するとして、これをトレードに当てはめるとどうなるか、過去数10年のリアルタイムデータで研究しています。
これをトレードに当てはめて研究をしています。
始めてから、かれこれ8年めですが、いろいろわかったことがあります。
たとえば、時々僕がこのブログでも指摘する金利です。
米国金利zが変わると、ドル円レートxが変わる。
ドル円レートxが変わると、日経平均yが変わる。
米国金利zとドル円レートxの関係は明確です。
ドル円レートxと日経平均yの関係も明確です。
でも、米国金利zと日経平均yの関係は、不明確でした。
たとえば、ドル円レートxと日経平均yの関係をみてみましょう。
このチャートは、今年に入っての、ドル円レートと日経平均の関係を示したものです。
青のプロットは、今年の1-3月までの関係をプロットしました。
赤のプロットは、今年の4月以降(5月20日まで)のプロットです。
(チャートでは、Xはドル円レート、Yは日経平均として、簡単な数式で説明しています。いわゆる直線回帰という分析で、Rは比例係数です.R>70%を超えると、十分に説明できている目安になります。これは点と線の関係を目でみて明確ですね。)
いずれも、きれいな関係になっていますが、少し、傾きが変わっています。
かなりわずかな変化ですが、デートレ―ドをしている方にとっては、見逃すことはできないはずです。
y切片も、傾きも、大きく変わったからです。
4月以降、ドル円に対して、日経平均の反応は鈍くなりました。
この理由は2つの見方で説明できるでしょう。
1.今年度の決算が、まだまだ先なので、4月や5月の段階では感応度が弱い(=反応しない)
2.為替だけでは株の動きは説明できないのだ、もっと「他の理由」が大きい比率だろう。
1の考えであれば、毎年4-5月に起きるはずすね。だから過去数年間の為替と株の動きを、4-5月に関して検証するだけで答えが出るでしょう。
2の考えであれば、毎年「他の理由」が異なるので、4-5月に関係なく、季節とは無関係に起こる事象ですから、これも任意の過去を抽出して検証すると答えが出るでしょう。
今の時点ではっきり言えるのは、4-5月に限らず、ある期間が終わると突然、関係の数式が変わるが、ドル円と日経平均の関係があるという点では変わらない、ということです。
日経平均という株価は、かなりの率で、ドル円レートだけで説明できてしまう、ということになります。
ということは、ドル円レートをみないで日経平均という指数をトレードできないぞ、という事を示しています。
日経平均が動くからドル円が動くのか、その逆か、これはえらい違いですが、その逆と考えるのが普通です。
市場規模が、ドル円レートの方がはるかに大きいからです。
こうした事実から、いろいろな事を学ぶことができます。
機関投資家とかプロ投資家は、最も重視する要素が見えてきます。
またいずれの機会に説明しましょう。