老後に2000万円貯める必要なし1250万でよい (魔術師 奥村)

金融庁の金融審議会市場ワーキンググループの報告書(2019,6月3日)云々、などと書くより、年金の問題レポートといえば今政治問題化しているのでわかりやすいでしょうか。

要するに、年金では、モデル世帯に対して月5万円、老後30年間で2000万円不足するという指摘です。

レポートをよく読むと、いろいろ良いことは書いていますが、要するに早い段階から老後のための貯蓄をすべし、という事なのですね。

もう既に50才になっていて、貯蓄なんてないぞ、という人だって多いのではないかと思うのです。

「そんなこと、今更言われたって遅いわい」

と思うかもしれません。

 

でも、本当に今からでは間に合わないのでしょうか?

実際に計算してみれば簡単にわかる事ですね。

やってみましょう。

結論から言うと、まだまだ間に合うぞ、ということになります。

まずは、2千万円をいかにつくるかに特化して、計算してみました。

前提を置きます。

-住宅は持っている事.住宅ローンは定年までに払い終える事.
-定年65歳まで働くこと.66才になる前日まで働けるとします)
-退職金はゼロとする.
(あるいは退職金があっても、住宅ローン

残額を払って退職金を使い切る事とする)

退職金を計算しないで65才までに2千万ためるための計算です。

毎月一定額を積み立てて、投資信託を買う、という手法に特化してみました。

投資信託のリターンは、

1 年率リターン2.5% で月々積立
2 年率リターン5.0% で月々積立
3 年率リターン7.5% で月々積立
4 年率リターン7.5% で月々積立 + 初月は一定の投入金額あり

の4パターンとしました。

結果からお見せします。

 

 

 

 

 

 

シナリオ1は、現在35才の人が、定年65才になるまでに2000万円貯めるケースです。
このケースだと、貯蓄期間が30年もありますから、2万3千円を毎月積み立てると良いのです(年リターン5.0%のパターン)。

シナリオ2は、現在45才の人が、定年65才になるまでに2000万円貯めるケースです。貯蓄期間は20年ですが、月々4万6千円で2044万円の貯蓄が達成できます(年リターン5.0%のパターン)。

シナリオ3は、現在50才の人が、定年65才になるまでに2000万円貯めるケースです。貯蓄期間は15年ですが、月々5万5千円で2031万円の貯蓄が達成できます(年リターン5.0%のパターン)。

シナリオ4は、現在55才の人が、定年65才になるまでに2000万円貯めるケースです。貯蓄期間は10年です。月々11万4千円で2001万円の貯蓄が達成できます(年リターン5.0%のパターン)。

シナリオ3は、月10万を超えるので、厳しいですね。もし年リターン7.5%の運用ができると、9万8千円で済むので、少し楽になります(パターン3)。

しかし、55歳で貯蓄がゼロというのもさすがに無理がありますね。そこで、300万円の貯蓄があるとして、それを初月に投入すると、月々 6万5千円の積み立てで2001万円の貯蓄が達成できます。

いかがでしょう。

年5%の運用は、イデコの商品でも十分可能です。

年5%で5年運用すると、5年間のリターンは27.6%ですが、実際のイデコの商品では、その数字をうわまわるものが沢山あります。

年7.5%での運用となると、投資信託では難しくなりますので、自分で株を勉強して運用する方法になると思いますが、その場合は年7.5%程度での運用は十分に可能です。

さて、金融庁の試算は、重大な間違いがあります。

重大と言うより、うれしい間違いといいかえた方がいいかもしれません。

65才で2000万円たまったら、そのあとの運用を考慮していないことです。65才に2000万円の現金が貯蓄できた人は、その2000万円の運用を継続することができるはずですね。

その後も年5%で2000万円を運用した場合、月間リターンは約8万1500円です。

ということは、2000万円の元本を一切減らさず、月8万円、使う事ができるのですね。

あれ、月5万ではなく、月8万も使えるんですね。

年5%で運用する前提であれば、2000万円ではなく、1250万円あれば、元本を一切減らさずに、
毎月5万円を使うことができます。

ということは、目指すのは1250万円ということになります。

それを考慮すると、シナリオ5ができあがります。

 

 

 

初期投資に300万円がある前提を置くと、なんと、55才の人でも、月3万9千円の積み立てで、10年後には1294万円を手にすることができます(パターン2)。

もし年7.5%で運用できた場合、月々2万6千円の積み立てで10年後には1294万円になります(パターン3)

そして、1294万円をその後も年5%運用することで、元本を減らさずに毎月5万円を使い続ける事ができるのです。
これなら、十分に達成可能ですね。

<結論>
老後のために2000万円貯めるのは十分に可能。でも実は1250万円貯めるだけで良いのです。

目の前が明るくなったのではないでしょうか。

では、また次回をお楽しみに.