9月はいじられる (魔術師 奥村)

9月も、あっという間になかばを過ぎてしまいました。

8月は、夏枯れ相場と言われます。
機関投資家が夏休みを取るので、出来高が少ないということに由来するという意味になるでしょう。

この何年か、その夏が終わった後、9月に入り第2週を過ぎたころから、結構おおきく動くようになりました。

よく、先物の売り越し買い越しと言われ、東証の買い残、売り残など、手口を見るセミプロが多くなってきたのですが、その多くは、裁定取引であり、相場の方向には影響を与えません。

上がるか、下がるか、は、「先物と現物全体」の、買い越し、売り越し、を見ておく必要があるので、注意してください。

2017年は、衆議院選挙がありました。9月28日解散、10月22日に投票。予想通り、自民党は284席をとって圧勝します。
日経平均は、ご覧のとおり、年末に向けて一直線に上昇をしています。
このとき、外国人投資家は、9-11月の間、5兆5千億円もの買い越しをしたのが、大きな理由になっています。

 

 

 

 

 

2018年は、9月第2週から、突然大きな買い越しがありました。10月第2週まで、2兆2千億円もの買い越しでした。
相場はあっという間に上昇し始めました。
しかし、その後、急に反落をします。10月第3週からの4週間で、4兆7000億円の売り越し。この売りの勢いは、12-1月になっても収まるところを知らず、結局、年末には、19000円割れを起こしたのは、記憶に新しいところです。

 

 

 

 

このどちらのケースも、選挙とか、米中貿易協議などの特殊要因があり、外国人投資家が日本で理由もなく暴れただけではありませんが、特に2018年は、欧米に比べ、日本だけが大きく下げたのは、外国人投資家に仕掛けられた、自我を確立していない相場が、あたふたして自ら売りを膨らませて雪だるま式に下げた感じがあります。

丁度、泣いている子を、気が動転させてまで無理無理さらに泣かせるような手口です。
でも、ルールに乗っ取っているので、煽りでも、イジメでもありません。

ショートカバー戦略といいますが、今年も、どこかの時点から、売り浴びせ作戦が来るかもしれません。
そんな季節の香りがしてくる、今日この頃です。