今回は、ドル円レートと日経平均の関係について、見てゆきます。
今年の8月以降、10月18日までの約2か月弱の期間、日ドル円レートと日経平均の動きは、恐ろしい程ピッタリ歩調があっています。
同じデータを、日付の情報を外して、x軸に為替レート、y軸に日経平均をプロットすると、相関グラフとして見る事ができます。
Yを日経平均、xをドル円レートとすると、
Y=667x – 50198 ①
という関係になりました。
この数式をみると、一円 円安になると、日経平均は667円上昇するという関係になります。
この関係は、あくまでも、直近2か月弱の期間に限定した話です。
1988年以降、2019年までの31年に及ぶ長期的な関係では、このような推移を描いています。
これを、相関で表すと、
Y= 375*X -18750 ②
という関係があります。
Y、つまり日経平均は、長い期間の平均的には1円 円安になると、375円だけ上昇するのですね。
短期の関係①と長期の関係②、とを比べると、
同じ1円の円安でも、一方は 667円、一方は375円変化するのですから、
667/375 = 約1.8倍
今の日経平均は、為替に対する通常の関係よりも、1.8倍程度敏感になっていることになります。
ところで、株価は、為替だけではなく、企業利益にも大きな影響を受けます。利益が大きくなるほど、株価は上がる事は容易に予想できますね。
直近2カ月間の予想利益をみてみると、こうなっています。
予想利益として、今期の一株当たりの利益(EPS)を用いています。
予想利益と株価は似た動きをしてはいますが、おおむね、予想利益は大きく変わっていないのに、株価だけが9月以降、上昇してきているのです。
為替でも、予想利益でもない,「なにか」の理由で、株が上がっていることになります。
この「なにか」は、センチメントという表現をします。
株の世界では、PERという言い方をしますが、要するに、投資家の気分が高まってきて、気持ちよくなると、この数値が上がります。
実際に見てみましょう.
日経平均の上昇と、見事なまでにピタリと一致してセンチメントが上昇してきているのが、わかります。
センチメントが上がると、為替が多少円高に向かおうが、企業利益が多少下がろうが、株価は上がるのです。
では、なぜ、センチメントは上がるのか?(あるいは、下がるのか?)という疑問をわいてくるでしょう。
これは、またの機会に改めて述べる事にします。