【2017年8月20日(日)東京:3週連続の下落はあるのか】
先週の東京株式市場、TOPIXは週間ベースで続落しました。「山の日」の3連休明け、北朝鮮リスクから始まって、米国のトランプ政権の政治リスクに至る軟調な地合いが週を通じて継続しました。
TOPIXは1600ポイント割れ、下落率は6月第1週(▲1.27%)以来となる▲1.23%の大きさに達しました。
これで2週連続の下落ですが、今週はどうなるでしょうか。3週連続の下落となると、今年3月第2週~4月2週にかけて5週連続安を記録して以来のこととなります。
この時はフランス大統領選挙を控えて、米国の景気後退、北朝鮮のミサイル発射による「リスクオフ」の円高、などが重なりました。現在の状況とさほど相場の背景は変わりません。
先週の東京市場では、セクター別でTOPIX-17業種のうち、値上がりセクターは「エネルギー資源」の1業種のみ。値下がりセクターは16業種に広がりました。
値下がりの目だったのは「鉄鋼・非鉄」です。中でも鉄鋼株の下落が響きました。
ただし非鉄株に関しては、非鉄市況の上昇に連動してむしろ上昇する銘柄が目につきます。この辺りは相場の数少ない強気材料となりそうです。
値下がり業種として目立つのは、「銀行」、「金融(除く銀行)」、「不動産」という金融関連セクターの下げです。2週続けて金融株の軟調さが目につきます。
今や世界経済は、政治リスクと並んで、米国の経済上の脆弱さが不安視されつつあります。先週公表された7月分のFOMC議事録では、インフレリスクの後退を支持するボードメンバーが増えている模様です。
それによって米国の長期金利は再びじわじわと低下を続けています。
世界的な「リスクオフ」の流れも強まって、円高方向への動きも定着しつつあります。こうなると米国株安とも重なって、日本株はますます上値が重くなってしまいます。
日経平均などの株価指数は引き続き為替にらみの展開。その上で個別銘柄は決算内容の良好な中小型株を一本釣りで探す状況が、当面は続きそうです。
以上(スズカズ)